ゆったりとしたスペースに2打席分が確保されたフリー打席スペースには、高精度な高速カメラと高速ストロボを搭載した「Prizm Pro」や、センサーマットを利用して詳細な体重移動と重心移動を測定する精密機械「BodiTrak」を設置。3メートルの本格的パッティンググリーンを設置しているところも、ゴルフ好きの心をくすぐります。

パーソナルトレーニングジムでは珍しい本格的パッティンググリーンを設置

2打席分が確保された打ちっ放しスペースには高性能測定機器を導入している

「雑誌『ゴルフダイジェスト』で私の連載が始まって、このトレーニングをしていけば飛びますとか、このトレーニングをしておくと曲がりませんとか書いていましたけど、自分がやったらめちゃくちゃ曲がるなって（笑）。これは自分もちゃんとゴルフをやらないとダメだなと思って、ひたすら練習して、2年でシングルプレーヤーになりました。そこからTPI（タイトリスト・パフォーマンス研究所。ゴルフ指導者向け講習会を開催）のレベル1の資格を取ったりして、プロゴルファーへの指導が始まりました」

そこから、成田美寿々選手を中心に、数多くの女子プロゴルファーをサポート。2018年の富士通レディースでは、成田選手のキャディーとして初めてバッグを3日間担ぎ、優勝へと導きました。本職ではない人が、初めてキャディーを務めた試合で優勝したのはLPGA（全米女子プロゴルフ協会）史上初の快挙でした。

「あのときは、成田選手のコンディションが上がらなくて、気分転換としてキャディーに入りました。彼女のプレッシャーを取り除くのが私の仕事なので、とにかくリラックスさせました。3日間で聞かれたのは、風が2回と、パットのラインが1回だけ。キャディーバッグも、普通はリュックみたいなもので背負うんですけど、ワンショルダーで担いだので、肩の皮がビリビリにむけました（笑）」と謙遜する安福トレーナーでしたが、成田選手の心身を支え、優勝のサポートをしたその功績は、業界も驚くことでした。

トレーナーとキャディー。両側面からプロゴルファーを支え、優勝をサポートした経験を、「STARTUG TOKYO」で、一般のかたにも落とし込んでいます。まず意識させるのは「素振りの重要性」だと言います。

安福一貴トレーナーは初めてのキャディーで優勝経験も！

「素振りやシャドーがその人の一番いい動きなんです。ボールがないので、きれいにスイングができます。本番だと、その6割ぐらいしか力を発揮できない。その素振りの100のレベルを上げていけば、本番でも精度が上がっていきます。飛距離よりも先に動きづくりをしてあげたほうが、結果としてスイングスピードも上がりやすいですね」

毎月開催しているラウンドレッスンでは、技術的な課題克服と同時に、メンタル面の部分も指導します。

「バーディーパットが入らない人には“バーディーが入った後にどういうガッツポーズをしようかと思って打ってください”と言います。“入れたい”がゴールになっているから入らない。ゴールを目の前にするのではなくて、“向こう側”にする作業をさせています」

安福トレーナーは「私自身が下手だったから、上手くなる階段の一歩ずつが分かっています。どうしたら70台になれるかが分かっている。それが一番の肝だと思っています」と力強く話します。だからこそ、アベレージゴルファーの側に立った指導には定評があります。これからも、ベストスコアを出したい、飛距離を出したい、アプローチがうまくなりたい、と願うクライアントを親身になってサポートしていきます。

「自身が下手だったから、上手くなる階段の一歩ずつが分かっている」と安福トレーナーは語る